里子を受け入れる際の
実子への「インフォームド・アセント」ガイドの内容を一部ご紹介します。
以下は実子のいる里親さんの言葉です。
◆今思えば、実子は言いたいこともあったと思う。実子が言ってきた時には話を聞
いて「あー悪かったね。ごめんね」とすぐに謝るようにした。とにかく我慢させ
ないで吐き出させて、「ごめんね」って言った。
◆「何か困ったことがあったらお母さんや児相さんに話してね」と言った。
1ヶ月に1回ぐらいは母親と2人きりで、喫茶店に行って他愛もない話をしてケ
ーキを食べて帰ってくる。それで1対1で言える環境はつくっていた。
◆「里親が嫌だったらやめるよ」っていう話をさんざんしている。私たち以外の社
会をいくつか準備した。親に言いにくいことを言えるように、お姉さんとか心理
士さんと面談できるような状況を作った。
◆実子は言い出せないタイプ。子どもっぽいと言われようが、ギュッと抱きしめる。
親のエゴで里親になったことに対して、親がダメなところを見せることを意識し
ている。子どもの前で大げさに泣くこともある。
里親の 1 人は、
実子が「良い里姉になることをみんなから求められてきた。 里子が親と住めないということをかわいそうと思って優しくすることを周りから期待されていて、それに応えなきゃいけないっていうのがすごくつらかったし、里子の悪口を言ったらいけない状況にあった」と打ち明けた
と話していました。
里親は、実子が「つらい、苦しい」という状況を伝えられない、言いにくい環境にあることに思いを巡らす必要があるようです。
インタビューを受けた里親のうちの 2 人は、「実子に、立派な親の姿ではなく、他者に助けを求めたり、相談したりしている姿を見せている」と答えており、このような意図的な行動は、実子が困ったときに相談しやすい雰囲気づくりにつながる可能性があります。
里親たちの言葉からは、実子のために最善を尽くそうとしている姿を見ることができます。